大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29年(あ)208号 判決

右被告人三名に対する不法監禁各被告事件について昭和二八年一一月二四日広島高等裁判所の言渡した判決に対し各被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人三名の各負担とする。

理由

被告人三名の弁護人佐々木清綱の上告趣意第一点は、違憲をいうが、所論第一審第八回及び原審第二回の各判決宣告期日の公判調書に公開を禁じた旨の記載がない限り、公判は公開して行われたものと認めるのが相当であつて、裁判を公開したことを公判調書に記載しなくとも憲法に違反しないことは、当裁判所のすでに判例としているところであるから(昭和二二年(れ)二一九号同二三年六月一四日大法廷判決、集二巻七号六八〇頁、昭和二三年(れ)三九七号同年七月二九日大法廷判決、集二巻九号一〇七六頁)、論旨は理由がなく、同第二点は、事実誤認、法令違反の主張であり(原判決の維持した第一審判決判示第一事実は、同判決挙示の証拠、ことに、黄保翌の検察官に対する第一、二、三回供述調書〔記録三三九丁以下〕、黄保翌〔同三二〇丁以下〕、戸田松子〔同三一二丁以下〕、大原シゲノ〔同三七六丁以下〕、大原イサコ〔同二九三丁以下〕の裁判官に対する各証人尋問調書により十分肯認することができる。そして、刑法二二〇条一項にいう「監禁」とは、人を一定の場所から脱出できないようにして、間接に身体の自由を拘束することであり、第一審判決判示の被告人らの所為が不法監禁罪にあたることは勿論であるから、所論の違法は認められない。)、同第三点は、原審で主張、判断のない事項に関する主張であるばかりでなく、単なる訴訟法違反の主張を出でないものであり(起訴状に記載されている第一の公訴事実、その罪名及び罰条によれば、所論のように脅迫と傷害の二個の犯罪事実について公訴の提起がなされていないことが明らかである。)、同第四点は、量刑の非難に帰するものであつて(被告人辛は相被告人二名と異り、懲役五月の実刑を科せられている。)、いずれも刑訴四〇五条の定める適法な上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 本村善太郎 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 垂水克己)

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